ごあいさつ
「本日はご来場いただき、誠にありがとうございます。」 この言葉を必ずご挨拶に書いてきましたが、全く違う響きを持つようになりました。 このような環境下で会場までお運びいただけたことに、まずは何よりも深く感謝申し上げます。
4月に入り、関わっていた現場の公演中止が決まりました。6月・7月に入る予定だった児童対象の公演も中止となり、いったん現場が途絶えました。その後に改めてお声がけいただき、何現場か関わらせていただきましたが、どれも感染症対策を徹底して行うことを前提にしており、上演の形が変わっていました。その形は、悔しい部分もあると同時に、メリットもあるように見えました。大きな変革の過渡期と言えます。
この過渡期に、あえて公演を行ってみようと思いました。変革の体験と共有を、お客様を含む皆様と行いたかったからです。演劇を、ライブパフォーマンスを生き残らせるためには、どのような環境整備が必要か。道筋を見出すためには積極的に環境と向き合う実践こそが有効である――そのように考え、短期間ながらも今できることを出演者、スタッフと模索してまいりました。ご来場いただく皆様と共有するこの上演の場が、最大のクライマックスとなります。
タイトルは「アトリエ」。つまり演劇をつくる場そのものを題材にしております。いくつもの意味で、この場を皆様と共有できることを大変幸福に思います。 1時間強の上演、どうぞお楽しみいただけますと幸いです。
本日はご来場いただき、誠にありがとうございます。